・検査 Q&A
どうして最初に全部の検査をするの?
- 検査結果はその都度分かりやすく説明されますし、見つかった不妊原因に対
する治療は、それぞれ結果が分かった時点で直ちに始まります。
排卵誘発やタイミングだけを不妊治療だと考えている方が多いのですが、
まずは不妊原因に対する「不妊治療」が大事なのです。
事実、2015年に体外受精や人工授精以外で、当院で妊娠した146名中、タイミング治療を始める前に64%、93名もの方が、検査中に妊娠しています。この中には6名の40代も含まれます。
周期あたりの妊娠率も、検査中の妊娠率が66%なのに対し、タイミング治療の妊娠率は10%でした。
「検査ばかりでなかなか治療が始まらない」のではなく、すでに最も効果的な治療が開始され
ているのです。
もちろん、運良く原因が早く見つかって、全ての検査が終わる前に妊娠する方も大勢いるので
す。
子宮鏡検査ってどんな検査?
- 子宮の中に柔らかくて細いカメラを入れて、モニターで見て、ポリープなどがないかを調べる
検査です。
痛みは感じませんが、カメラを入れる際に水を子宮の中に入れながら検査をするので、お腹が
膨れて苦しく感じる方もいます。
苦しく感じた時は、スタッフに声をかけていただくと、すぐに水を止めますのでご安心下さい。
- 子宮の中に水を入れますので、卵管通水になるため、妊娠率がアップする治療になります。
また、小さなポリープや癒着であれば、検査中に治療をすることが出来ます。
卵管造影検査って痛いと聞いたのですが…。
- 卵管造影検査とはお腹の中にレントゲンの造影剤を入れて、レントゲン撮影
をして、卵管が通っているかどうかを確認する検査です。
造影剤を入れる際に痛みを感じることがあるので、「痛い」検査だと聞いた
ことがあるかもしれません。
当院ではベテランの先生が検査をしますので、当院で受けた方のほとんど
は、「全然痛くなかった」「思っていたほど痛くなかった」との感想を
持っていただけているようです。
痛みがどうしても気になる方は事前にスタッフにお声掛け下さい。
- また、当院では卵管造影に先だって、子宮鏡検査で子宮を詳しく診察し、ある程度卵管通水を
行ってから卵管造影を行いますので、他院で卵管造影をしたことがある方ほど、痛みが無くて
びっくりされます。
痛くない検査のためには、きめの細かい準備も必要なのです。
どうして卵管造影検査を大原病院でするのですか?
- 大原病院には救急があるので安心なのです。
造影剤は、まれに(千回に1回程度)拒絶反応によるアナフィラキシーショックを起こため、
安全第一を考えて救命救急病院で行えば、不測の事態でも安心です。
- 大型のレントゲン機器が使えます。
一般的なクリニックにある簡易型ではなく、総合病院にある、大型のレントゲン機器でないと、リアルタイムな造影剤の流れが分かりません。
リアルタイムな変化が分かると、「痛みのない検査」が可能になります。
卵管を通過したのが、直ぐに分かるため、必要最小限の造影剤で検査を終えることができます。
(簡易型の場合、レントゲン写真を現像してみて、初めて結果が分かる)
また、卵管の動きを確認することもできます。(卵管は動いているのです!)
- 待合室やクリーンルームを広く使えます。
駅前のビル診では、限られたスペースを、不妊治療中に1回しか行わない卵管造影検査のために広い場所を使うより、もっとも多くの時間を患者さんが過ごす待合室や、治療の心臓部であるクリーンルームなどに広く使えますので、よりきめ細かい対応が可能になります。
早く検査を終わらせたい!
- 「病院になかなか行けるタイミングがないから、早く検査を終わりたい」
「早く妊娠したいから、検査を早く終わらせたい!」
と考えている方も多いですが、妊娠に必要なホルモンは生理周期で変動します。
ですので、生理周期で検査をする日程が決まる、ということになります。
検査まで日程が空いてしまって、焦って不安になるよりも、検査までの期間中は妊娠するための妊娠力を高めていきましょう。
- 一般医療と異なり、不妊検査は同時に不妊治療を兼ねていることをご理解いただければ、
後はなるべくご夫婦で仲良くされることが、妊娠への近道だと自然に分かると思います。
出来れば週に1~2回の夫婦生活を持っていただければ、精子の寿命は3~5日なので、
常に子宮内で精子がスタンバイしている状況を作り出せますので、排卵日を気にする必要もありません。
「不妊検査」=最も効果的な「不妊治療」なのです。