性感染症について
不妊症を招く性感染症
近年、若年層、特に若い女性において梅毒が増えているのをご存知でしょうか?
2015年に入って、厚生労働省は梅毒に関するQ&Aや新しいリーフレットをホームページ上に公開するなど、日本国内の患者数は急速に増加しています。その数は、ここ5年間に約5倍と想像以上です。
このような性感染症の中には残念ながら、不妊症に結びついてしまう性感染症がいくつかあります。
ですが、これらの性感染症は早期発見早期治療することで妊娠することは可能です。
自覚症状がなくとも妊娠を意識したときには、予め検査を受けておきましょう。
不妊症を引き起こす性感染症
- クラミジア
国内における性感染症で、最も感染者数が多い疾患です。
クラミジアトラコチマスに感染することで発症しますが、自覚症状のないことが多く、気付いた時には重症化していることもあるので注意が必要です。コンドームなしの性行為のほか、性器に触れることで感染に至るケースも増加しています。
女性がクラミジアに感染すると卵管炎や癒着が起こり、不妊症を引き起こしてしまいます。
- 淋菌感染症
性的接触によって淋菌が引き起こす性感染症です。感染力が高く、男性においては尿道炎、女性では子宮頸管炎になることがあります。
こちらも自覚症状に乏しく、気付いた時には重症化して不妊症の原因となることがあります。
- 梅毒
梅毒とは梅毒トレポネーマが原因となって全身に発疹が生じ、放置すると死に至る性感染症です。また、感染したまま妊娠出産を迎えると、母子感染を起こして胎児に悪影響を及ぼしてしまいます。
- 性器カンジダ症
特に女性に多い性病で、カンジダ属の真菌(カビの一種)が原因となって起こる病気です。 パートナーから感染することもありますが、もともと人の体内にある菌とも言われ、他の性感染症とは少し性質の違うものとなります。
典型的な症状として、外陰部のかゆみがあり、ヨーグルト状のおりものが増えたりします。男性に症状が出ることは少ないですが、包茎の人には女性と同じようにかゆみなどの症状が出やすくなります。
赤ちゃんにも影響を及ぼす性感染症
- 妊娠中の女性が性感染症に感染すると、流産や早産の危険が高まります。
また赤ちゃんに感染すると、結膜炎、肺炎、ときには死につながることもあります。
妊娠を希望している人や妊婦は性感染症の検査を受け、もし感染していたら治療と同時に、
赤ちゃんへの感染を防ぐ方法をとることが必要です。
性感染症を防ぎ、検査を受けましょう

- 上記で紹介した性感染症の怖いところは、どちらも膣内の感染に止まらず卵管のほうへと進んで炎症を起こしていく点です。
身体の内部で進行し、重篤化して不妊症とならないために、不特定多数との性交渉は避けましょう。
また、コンドームの着用も性感染症を防ぐには効果的だと言えます。
- 当院では不妊治療を行う前に、全員に採血検査を受けていただき、感染症の有無を調べます。
ご不明な点は医師、スタッフにお気軽にお声をお掛け下さい。