アートクリニック産婦人科 栄町 福島 福島市 産婦人科

人工授精(AIH)

人工授精(AIH)

人工授精(AIH=Artificial Insemination with Husband‘s sperm)
とは、排卵のタイミングに合わせて精子を直接子宮腔内に注入する手助けを
して、 自然な妊娠を期待する方法です。


精子の数が少なかったり(乏精子症)、動きがにぶかったり(精子無力症)、子宮にガードされて、
子宮の入口(=頚管)を精子が通過できない方(子宮口が狭い、ヒューナーテスト不良など)、
はっきりした原因が認められないにもかかわらず長期間妊娠しない方。
このようなケースでは、通常の夫婦生活での妊娠は難しいと言えます。

そこで専用のカテーテルを使い、排卵のタイミングに合わせて精液を直接子宮内に注入して、自然な
受精と着床を期待しようというのが人工授精(AIH)です。
 

人工授精(AIH)の流れ

 


 

1. 排卵予測

過去の基礎体温表や、超音波検査で測っ
た卵胞サイズから、排卵日を正確に予測
します (タイミング法と同じ)。

 

2. 卵胞刺激

飲み薬や注射などの排卵誘発剤を用いて
卵胞を刺激します。20代で排卵も規則正
しい方であれば、最初は自然周期で行う
場合もありますが、手間暇をかけたAIH
が少しでも成功率の高い結果になるよ
う、色々な工夫をします。

 

3. 卵胞サイズをもとに予測日修正

排卵日は必ずしも月経周期14日目ではありせん。
そのため月経周期10〜12日目前後に外来を受診していただき、卵胞がどの程度反応しているかを超音
波で観察します。

 

4. 精液の採取

検査結果で排卵日が予測されますと、排卵予定日にAIHが行われます。
当日は、あらかじめお渡しした専用の容器に採取した精子を持参するか、院内の採精室で精子を準備
していただきます。
AIH前の禁欲期間は3〜4日間がベストです。7日間以上の禁欲は、かえって精子の質を低下させること
があります。
(あくまで目安です。夫婦生活を控えた方が良い、と言う意味ではありません)

 

5. 精子の洗浄・濃縮

採取された精液には、精子の他に、ゴミ、細菌など様々なものが含まれています。
また、精液の中には受精を阻害する白血球や色々な化学物質も含まれており、精液を直接子宮内に注
入することはあまり好ましくないので、殊な培養液を用い、遠心分離にて形態不良の精子、動きのよ
くない精子・異物などを取り除いて、優良精子だけを選別します。

 

6. 精子注入

専用のカテーテルを子宮口から子宮の中に入れ、洗浄・濃縮処理をした精液を注入します。
普段の診察と同じで、痛みはほとんど感じずに、短時間(大体1〜2分)で終わります。

 

当院のAIH治療実績

AIHの成功率は通常、5〜10%程度といわれています。
妊娠率があまり高くないため、繰り返し同じ治療を行う必要があります。
ただし、AIHを繰り返しても妊娠しない方がいます。
当院の集計結果ではAIHで妊娠した方の99%が、6回以内に妊娠しています。
言い換えれば6回以上AIHを続けても、妊娠しない方はAIHでは妊娠しない、ということになります。
このため当院では、6回を一つの目安として、妊娠しない場合には体外受精などの高度生殖医療をお
勧めしています。

ただし、特に強い希望がある場合は治療をうち切ることなく、AIHを続けることも可能です。
逆に、片方の卵管が詰まっていたり、40才以上の方には、3回で妊娠しない場合にステップアップを
勧めています。
回数はあくまで目安ですので、早めのステップアップの希望があれば、いつでも気軽に相談してくだ
さい。



 

AIH Q&A

AIH後はどのくらい安静にしておくべきでしょうか?


 
  • 大昔の人工授精では、精液処理をほとんどせずに、そのまま精液を子宮内に
    注入し、残りは膣内に振りかけていました。
    子宮は狭く、いただいた精液の1割しか子宮に注入できないため、残りの9割
    をこぼれやすい膣内に振りかけるしかなかったのです。
    その場合、直ぐに立ち上がってしまうと、膣内に振りかけた精液がこぼれて
    しまうため、精子が自分の力で少しでも子宮内に入っていけるように、
    2時間も!内診台で足を開いたまま、安静にしていました。

    その習慣が残っているので、人工授精について調べると、精子注入後には内診台で一定
    時間安静にした方が良い、と書かれています。
    当院でも、開業から2年間は、手術室で人工授精を行い、精子注入後は20~30分間安静に
    してもらっていました。
    (今では精子が子宮から卵管までたどり着くのに20分かかる事が分かっています)
    今から想像すると、相当苦痛だったと思います。
    しかし、最適な精液量に調整することで、精子全量を子宮内へ注入することが可能である事
    を考えると、足を開いた無理な格好で内診台の上で何10分もじっとさせることに、何の意味
    もないことは明らかなので、古い風習は捨てて、思い切って精子注入後の安静を止めました。

     事実、当院での3年目以降のAIH妊娠率は安静にしていた頃と比べ、全く低下せず、
    むしろ改善しました 。
 

精子は病院で採取しなくてはいけないのでしょうか?


 
  • 検査結果で排卵日が予測されますと、排卵予定日にAIHが行われます。
    当日は、あらかじめお渡しした専用の容器に採取した精子を持参していただ
    いて大丈夫です。
    また、院内の採精室で精子を準備していただいても構いません。